あそびまなび!?

    イオンファンタジーのエデュテイメント

    答えを与えるのではなく、興味と発想力をもたらすこと

    イオンファンタジー中国 莫莉幻想研究岛(モーリーファンタジー研究島)

    インタビュー

    2020.10.01 UP

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    中国・合肥市に存在する「莫莉幻想研究岛(モーリーファンタジー研究島)」。イオンファンタジーのエデュテイメント施設として先駆けとなったこの施設には、どのような想いが込められているのでしょうか。2018年のオープンから現在も運営に深く関わるイオンファンタジー中国のスタッフ二名にインタビューしました。

    莫莉幻想研究岛(モーリーファンタジー研究島)

    従来の「学び」に傾向した科学館とは異なり、あくまでも「遊び」を入口に「学び」の機会を得ることを軸に設計したテーマパーク。開発に際して、一般財団法人大阪教育文化振興財団が運営している「キッズプラザ大阪」の監修を受け、日本流のホスピタリティとエンターテイメント性を強化した遊具、子どもたちがワクワクする世界観を取り入れた。

    所在地:安徽省合肥市滨湖区庐州大道与云谷路交汇处

    語り手

    イオンファンタジー中国

    営業支援本部本部長 劉洋(リュウヤン)

    新規事業本部本部長 モーリーファンタジー研究島事業部部長 劉暁丹(リュウシャオダン)

    モーリーファンタジー研究島の開発はいつ頃スタートしましたか?

    (劉洋) プロジェクトが正式に始まったのは2018年からです。私は新規事業部の責任者として、まずは監修元となる日本の「キッズプラザ大阪」へ訪れ、どのような運営をしているのかを中心に視察しました。中国で公営の科学館も調査し、これを商業的に転換するにはどうすればよいか企画を練りました。

    科学」や「学び」という、イオンファンタジーには今までになかったコンセプトを聞いたとき、どう感じましたか?

    (劉洋)イオンファンタジーは従来「あそび」の会社であり、「あそび」と「まなび」は互いに矛盾する要素です。これをどのように融和させるのかが難しい課題でした。ただ、私自身はチャレンジが好きな性格ですから、新しいこの挑戦へ強い興味を持ちました。

    小さな子どもたちにとって、力学や重力といった概念は抽象的で、理解しにくいものです。モーリーファンタジー研究島は「あそび」という形を通じて、子どもたちが原理や現象を学び、開発する精神を育むことができる施設です。

    難しいことを教えるのではなく子どもたちへ科学に対する興味をもたらすこと、また学ぶことで子どもたちが達成感を感じ、自分たちの興味のある分野の学びをさらに深めていくことができることがエデュテイメントとなるのではないかと考えています。

    モーリーファンタジー研究島の入口。未来を感じさせる店内デザインになっている。

    モーリーファンタジー研究島で特にお客さまから人気のある遊具はどんなものですか?

    (劉暁丹)一番人気がある遊具は「新奇流动的泵(じゃぶじゃぶポンプ)」です。様々な形のポンプを使って水をくみ上げ、中央の樽にどんどん水を溜めると、やがて樽が倒れて水がひっくり返る遊具です。「なぜポンプの形が違うのに水を吸い上げることができるのか?」と子どもが不思議に感じる仕組みになっています。

    また、異なる形のポンプを使って、どれが一番早く樽を倒すことができるか競争するのも楽しい遊びになります。

    4つの異なる形のポンプから中央の樽に水を溜められる「じゃぶじゃぶポンプ」。一定量の水が溜まると樽が勢いよくひっくり返って楽しい。

    (劉暁丹)子どもたちが達成感を得られる遊びとしては、「テレビ塔」のイベントが最も当てはまります。

    「テレビ塔」では、子どもたちがアナウンサーとして自己紹介をしたり、ニュースを読み上げたり、天気予報をお知らせしたりする姿を撮影し、放映します。かなりリアルなテレビ収録を体験することができます。

    読み上げるセリフは指定していますが、子どもたちが自分のアイデアでアピールしたいことを披露してくれることもあり、漢詩を暗唱したり歌を歌ったりと様々な表現を見せてくれます。

    「テレビ塔」でアナウンサーとして番組収録に挑戦する子どもたち。

    他社のインドアプレイグラウンドよりも魅力的だとお勧めできるところはどこですか?

    (劉暁丹)中国の保護者さまたちは、遊びを通じて子どもが何か得られるのではないかという期待を抱いてこの施設を訪れてくださいます。ただ子どもを遊ばせたいだけなら、別の施設でもよいはず。こういった遊びながら学びも得られるエデュテイメント施設は、まだまだ中国国内でも少数です。

    モーリーファンタジー研究島は子どもたちの想像力を育む施設であり、「あそび」と「まなび」という相反する二つの要素を自然に融和することができる施設だと自信を持っています。 モーリーファンタジー研究島には、遊具の基本的な使い方のほかに、あえてルールを設けていません。子どもたちが自由に発想しながら遊べる施設だということも魅力のひとつです。

    これから新しく挑戦してみたい「まなび」はありますか?

    (劉洋) コロナウイルスが全世界で流行している今、従来のような屋内施設だけではなく、屋外の施設にも挑戦してみたいと考えています。植物の成長や自然現象を体験できる施設など、イオンファンタジーが取り組んでみたら面白い挑戦になりそうだとアイデアが湧いてきます。

    (劉暁丹)モーリーファンタジー研究島での新たな挑戦として、この施設の設備を活かした英会話教室や、交通ルールや熱中症対策を学べるイベントなど、言語から社会勉強まで新しい「まなび」を広げていくことをしてみたいです。

    最近では、幼稚園児もよく知っているピサの斜塔の落下実験をモーリーファンタジー研究島のシンボルでもある「ロケット1号基地」の上からやってみました。

    モーリーファンタジー研究島のシンボル「ロケット1号基地」。地球や月、未来の街やロボットなど大型な遊具が並ぶ中でも一際大きく、子どもたちのワクワク感を高める象徴的な遊具。

    (劉暁丹)「大きさの違うものを落とすとどうなるか?」「重そうなものと軽そうなものを同時に落とすとどうなるのか?」と、子どもたちの間では次々と疑問やアイデアが生まれます。このように子どもたちの発想や新しいアイデアが促され、そのアイデアを実際に試したり、挑戦したりできる施設にしていきたいと思います。

    劉洋(リュウヤン)
    イオンファンタジー中国の新規事業責任者として、のちにアセアン各国に展開される「ファンペッカ」の1号店、サーカスをテーマにしたキッズレストラン
    「モーリーWAKA」、「モーリーファンタジー研究島」など新業態オープンに携わった。

    劉暁丹(リュウシャオダン)
    イオンファンタジー中国の新規事業担当者として、「モーリーファンタジー研究島」の開発・立上げから携わる。現在は新業態「モーリーWAKA」、「モーリーファンタジー研究島」の責任者として施設の運営を主導している。

    掲載された情報はすべて記事公開日時点のものです。