
GIGAスクール構想により、小学生が自分専用のタブレットやPCを持つのが当たり前になりました。
便利な一方で、「うちの子、ゲームばかりしている」「SNSのトラブルが心配…」など、デジタル機器との付き合い方は、多くのご家庭にとって大きな悩みとなっています。
「ゲームは勉強の邪魔」。
そんな根強いイメージがあるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
実は今、教育の世界では「遊びを通じた学び」の可能性が改めて注目されています。子どもたちが夢中になるゲームには、実は「学びのヒント」がたくさん隠れているのです。
この記事では、小学生の保護者が抱えるリアルな悩みに、ゲーム学習論の第一人者である東京大学大学院の藤本徹教授が答えます。この記事を読めば、子どもの「好き」を成長の原動力に変える、新しい子育てのヒントが見つかるはずです。
東大教授が答える!よくある5つの悩みと解決のヒント

今回、オンラインスクール「ゲームカレッジ Lv.99」を運営する株式会社イオンファンタジーが、藤本教授の監修のもと、保護者のリアルな悩みを調査。そこから見えてきた、特に多い5つの悩みと、今日から実践できる具体的なアドバイスをご紹介します。
悩み①:「うちの子、勉強に集中力がないんです…」
アドバイス:集中力は「興味」のスイッチで変わります。学習にゲームの要素を取り入れてみましょう。
そもそも、子どもが何かに夢中になる「集中力」は、対象への興味・関心に大きく左右されます。無理に長時間机に向かわせるのではなく、まずは「楽しい」と思えるきっかけ作りが大切です。
例えば、計算問題を「タイムチャレンジ」にしたり、漢字の書き取りを「クリアすべきミッション」に見立てたりと、学習にゲーム的な要素を加えてみましょう。「10分だけやってみよう」と短い時間から始めるのが、やる気を引き出すコツです。
悩み②:「ゲームの時間が長すぎるのでは?」と心配です
アドバイス:大切なのは時間の長さより“生活の質”。ゲームを勉強のモチベーションに変える発想を。
ゲームの時間を単純に制限するだけでは、かえって子どもは反発しがちです。注目すべきは、ゲーム時間そのものよりも、学習や睡眠、家族との会話といった生活全体のバランスが取れているかどうかです。
もし基本的な生活習慣が守れているなら、1日3時間程度のゲームは許容範囲と考えてよいでしょう。
一方的に禁止するのではなく、「宿題が終わったらゲームの時間」というように、親子でルールを決め、ゲームを“頑張ったご褒美”として勉強のモチベーションにする発想の転換が効果的です。
悩み③:「ゲーム中に暴言を吐き、イライラするように…」
アドバイス:感情のコントロールを学ぶチャンスと捉え、「言い換え」を習慣にさせましょう。
悔しさや興奮から、つい乱暴な言葉が出てしまう。これは、子どもが自分の感情の扱い方を学んでいる過程でもあります。頭ごなしに叱るのではなく、まずは子どもの気持ちを受け止めた上で、
「今の言葉、なんだか悲しいな。違う言い方で伝えてみようか?」と、言葉の“言い換え”を促すのがポイントです。
これを繰り返すことで、子どもは自分の感情を客観的に捉え、適切に表現する方法を学んでいきます。
悩み④:「SNSが怖くて、子どもに使わせるのが不安です」
アドバイス:「禁止」するのではなく、親子で「使い方を学ぶ」ことが、未来の力になります。
これからデジタル社会を生きていく子どもたちにとって、SNSは避けて通れないコミュニケーションツールです。だからこそ、「禁止」で遠ざけるのではなく、安全な使い方を一緒に学ぶことが重要になります。
まずは「知らない人とは繋がらない」「個人情報は載せない」といった基本ルールを親子で確認しましょう。
さらに、万が一嫌な相手に出会ったときには、無理に関わらずに「ブロック」するスキルを教えることも、自分の心を守るための大切なネットリテラシー教育です。
悩み⑤:「不登校が続いていて、将来が心配です…」
アドバイス:学校だけが全てではありません。家庭を“安心できる居場所”にすることが最優先です。
学校に行けない状況では、保護者の不安は計り知れません。
しかし、何よりも大切なのは、家庭を子どもにとっての“安全基地”にすることです。
その上で、勉強の遅れが学校復帰への心理的な壁にならないよう、オンライン教材などを活用し、外部との繋がりを細く長く続けていくことが、子どもの自信を守ります。
「ゲームが好き」という気持ちが、学習のきっかけになることも少なくありません。焦らず、子どものペースに寄り添うことが大切です。
監修者メッセージ:お子さんの「好き」こそが最強の武器になる
「うちの子、ゲームばかりして…」と嘆く保護者の皆様。
その一方で、お子さんは「ゲームが大好き!」と目を輝かせている。このギャップに、多くのご家庭が悩まれていることでしょう。
しかし、私たち専門家の視点から見れば、その“遊び”と“学び”は決して対立するものではありません。むしろ、子どもたちが夢中になるゲームの熱中や挑戦の構造にこそ、自発的な学びのヒント、すなわち「考えるチカラ」の芽が隠されています。
今回の調査を通じて、保護者の皆様のリアルな声に触れ、私たちが研究で積み重ねてきた知見と、子どもたちの日常にある実感が確かに繋がっていることを再確認できました。
お子様の「好き」という情熱は、これからの予測困難な時代を生き抜くための“最強の武器”になり得ます。このアドバイスが、ご家庭でゲームやデジタル社会との付き合い方を、より前向きに話し合うための“架け橋”となることを心から願っています。
※東京大学大学院 情報学環 教授 藤本 徹

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