
最近、よく耳にする
- ゲームはどんどん乱暴に…
- ゲームで子どもの脳がダメになる
などゲームによる悪影響の取り沙汰の数々。
マスメディアもゲームに否定的な意見が多いです。
しかし、本当にゲームで子どもは乱暴になるのでしょうか?
今回はそんな疑問に答えつつ、ゲームで悪影響を及ぼさないために大切なことをお話します。
「ゲームで子どもが乱暴になる」という研究結果はない

実は、「ゲームで子どもが乱暴になる」という研究結果は出ていないのです。
というのも、「ゲームの影響で、子どもたちが乱暴になるのか?」という疑問は複雑すぎて、研究者にも容易に結論を出せない疑問なのです。
子どもが乱暴になると考えられているゲームは、犯罪や戦争をメインとしたような暴力的なゲームだと思います。実際、暴力的なゲームをすることと、乱暴であることの、相関関係を示す研究結果はありますが、その因果関係を示す研究結果はないのです。
少しわかりにくいので、具体的に言うと、因果関係は以下のようなことです。
- 暴力的なゲームをすると、人は乱暴になる。
- 乱暴な人なので、暴力的なゲームをする。
この二つは全く逆ですが、これらを一般化して結論付けるような研究結果は出ていないのです。
つまり、子どもが乱暴になる原因はゲームなのか、それとも他の要因があるのかは分からないのです。
ゲームに限ったことではなく、デジタルでない粗っぽいゲームや、アメフトやラグビーのような、激しいスポーツが要因である可能性もあるということです。
なので、ゲームが与える数々の良い影響を差し置いてでも「ゲームをやめるべき」とはとても言えないのです。
▼ゲームを教育に活用することのメリットについて以下記事で詳しく紹介しています
「どれだけしても良い」というわけではない、大切なのはバランス

ゲームによる悪影響を示す研究結果が出ていないことは分かりました。
しかし、それなら手放しにゲームをやり続けても良い、かというとそうでもありません。
ゲームに限らず、学校の活動や宿題、運動、趣味、読書、どれをとっても、それだけしていれば良いということは無いですよね。宿題だけしていれば、運動の苦手な子に育つでしょうし、逆に運動だけしていれば、勉強の苦手な子に育ってしまいます。
大切なのは、これらの「バランスを取る」ことです。
そして、子どもに「バランスを取る」ことを学ばせ、子ども自身で「バランスを取れる」ようにサポートするのが、親や先生の役割です。
周りの大人たちには「ゲーム=悪」と決めつけて、ゲームを禁止にはしていただきたくないですし、逆に子どもがゲームばかりしていたら止めるようにしましょう。
暴力的なゲームにも「メッセージ」

暴力的なゲームにおいても、バランスは大事です。
例えば、子どもが外国語だけを聞いて育ったり、洋楽だけを聴き続けたりすれば、それらは成長過程に大きく影響します。同じように、暴力的なゲームばかりプレイし、暴力的な映画を見続け、暴力的な環境で育てば、乱暴な子に育ってしまうでしょう。
そのようないわば「暴力的なメッセージ」を、暴力的でないメッセージでバランスをとることで、子どもは「前者は日常生活ではやっちゃダメなことなんだ」「後者は日常生活でやっていいことなんだ」と区別できるようになります。
そうした「暴力的なメッセージ」を与える役割をゲームが担えば、子どもが実際に起こった犯罪などに触れることなく、善悪の区別ができるようになるのです。このように暴力的なゲームからも、学ぶことはあるのです。

最後に、ゲームをしている子どもの姿を見て、ゲームに対する意見が変わったという母親のエピソードを紹介しましょう。
あるお母さんは息子がゲームをしているのを見て、そのゲームのゴールが、「殺し合いに勝つこと」ではなく、「力を貯めて、協力関係を作ることだ」と知って驚きました。ボイスチャットを聞いてみると、息子は世界各地の男性から女性、大人から子どもにまで指示を出しながらプレイしていて、「ママ、ランキング上位に入るには、命令を下して、戦闘を指揮することが一番大切なんだ。」と言ったそうです。
別のあるお母さんは、息子が16歳になったので、オンラインの時間を制限するために、「外で仕事を見つけなさい」と言いました。しかし、シャイだった息子はオンラインで多くの大人と会話することに慣れ、積極的になっていました。また、15歳の息子なら、母親より他の大人のアドバイスの方をよく聞くものですが、一緒に話している大人たちは、息子に就職のアドバイスまでくれていたそうです。
未だにゲームに対して否定的な意見が目立ちます。
数十年前は「ロックミュージックは頭が悪くなるからやめなさい」と言われていましたが、現在はそんなわけはないと誰しもが分かっています。ゲームに対する否定的な意見というのはこれと同じようなものです。
皆さんには、自らの判断と考えで、ゲームに対する意見を持ってほしいと思います。
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(出典)
マーク・プレンスキー. 藤本 徹(2007) . 『テレビゲーム教育論』 . 電機大出版局
東洋経済オンライン:「ゲーム脳の信憑性」を現役医師が怪しむ理由
「テレビゲームと暴力」問題の過去、現在、未来
テレビゲーム使用と攻撃性の因果関係の検討
記事執筆者