年齢関係なく誰もが楽しめる「eスポーツ」は、メディアに取り上げられることも増え、優勝賞金1億円を超える大会が開催されることも増えてきています。
そんなeスポーツは、教育にも取り入れられる場面も増えているといわれており、その教育効果にも注目が集まっています。
今回はお子さんにも人気のeスポーツについて解説していきます。
eスポーツとは?
eスポーツとは、コンピュータゲームやビデオゲームを「スポーツ競技」として捉える際の名称であり、「electronic sports(電子スポーツ)」の略称です。
昨今、ゲームは多くのスポーツと同様、大会が開催されるなど、新たな活躍の場として注目されています。
そして、eスポーツは今、教育のためのツールとしても注目されています。
最近ではゲームは教育の現場にも進出しており、その研究結果は今後の教育現場に大きく影響を与えることでしょう。ゲームと勉強、と聞くと、相反するもののようなイメージがあるかと思いますが、eスポーツと教育との関連性について、紹介していきたいと思います。
eスポーツの「教育ツール」としての利点
①ゲームは子どもの興味を惹きつけやすい
題材としてのゲーム自体に、お子さんの興味を惹きつける傾向があるため、勉強的な文脈でもアプローチがしやすいというメリットがあります。
わかりやすくいえば、学び始める際のハードルが低いことを意味します。
またeスポーツは年齢や性別によって不利がなく、誰でも気軽に参加して楽しめるという利点もあります。オンライン上で競技が行われるため、住んでいる地域さえ問わない間口の広さも特徴です。
そのため学校の部活など、団体での参加もしやすくなっており、そのコミュニティは増えつつあります。
②eスポーツによる能力の向上
海外の研究によると、eスポーツの導入の前後で、学習能力やそれ以外の面でも能力が向上しているという結果が出ています。学習用や教育のためのソフトでなくても、ゲームは教育面で効果を発揮しているのです。
ゲームによる教育効果
「ゲームばかりで勉強が疎かにならないか」など、保護者の心配もあるかもしれません。
しかし、実はゲームをプレイすることで、勉強に関連する能力が向上するともいわれています。
例えば、反射神経が必要なアクションゲームでは、プレイすることで判断力が身についたり、迅速な判断を下すための情報を集めるための能力が向上したという結果があります。
他にも、オンラインで知らない人と協力プレイをすることで、コミュニケーション能力や協調性を学ぶことができます。
あるいは『マインクラフト』など、自由度の高いゲームでは創造力が育まれたり、ストーリー性のあるRPGをプレイすることで、物語を読むための言語能力の向上も期待されています。
また、ゲームによってワーキングメモリ(作業記憶)を鍛える効果があることなどもわかっています。複雑な計算や文章読解を解くために重要な能力です。
参考:【調査】ゲームプレイ後に「課題遂行能力」が向上することが明らかに
誰かと一緒に協力する必要があるゲームでは、チームプレイをするときにそれぞれの役割を考えるなど、問題解決のためのスキルが必要です。加えて、これを達成するためには、チームの皆と話し合うコミュニケーションスキルも重要になってきます。
このように、ゲームを楽しくプレイするだけでも求められる能力は多く、ゲームによって伸びる力は勉強だけでなく、将来必要になってくる社会性などにも大いに役立つのです。
ゲームの教育効果についてより詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。
拡大するeスポーツ市場
eスポーツを通して、お子さん達の成長をサポートすることを目的とした、『NASEF(北米教育eスポーツ連盟)』という教育団体があります。NASEFは、学習や教育を促進するためのツールとしてeスポーツを活用し、デジタル人材の育成のための教育を支援しています。
NASEF JAPANという日本本部もあり、日本全国の加盟校に対して支援プログラムの提供など、eスポーツの普及に向けた活動も行っています。2022年7月現在、日本の加盟校は337校にも上り、加盟する学校は増加傾向にあります。
NASEFによれば、eスポーツによる研究結果として「社会的感情の学習効果」が認められています。社会的感情とは、例えば問題解決に向けてどのようにコミュニケーションをとるべきか判断する力や、自分の役割や行動を決め、チームを動かし達成する力を指します。
参考:eスポーツは「学び」をどう変えていくのか 第23回オンラインシンポレポート・前半
このような能力は、学校や社会などの環境における効率的なリーダーシップや、あるいはチームでの活動における協調性など、あらゆる場面で重要であると言えます。
また、海外もeスポーツの導入の前後の変化についての研究によると、以下のような結果が得られたそうです。
- 生徒の欠席率の減少
- 成績向上
eスポーツを導入することで、生徒たちの積極性が向上し、そのおかげで学習態度や活動への結果が現れやすくなったと考えられています。
習い事としてのeスポーツのメリット
今やeスポーツは、お子さん向けのスクールの題材としても発展してきています。
ゲームを学ぶだけでなく、ゲームを通じた教育プログラムで成績アップを目指したり、ゲームを利用してプログラミングなどを学ぶスクールなど、そのバリエーションも様々です。
eスポーツを活用したスクールでのメリットは、以下のようなものが上げられます。
- 情報処理能力
- 論理的思考力
- ITスキル
- ネットリテラシー
- コミュニケーション能力
ゲームを通じたスキルだけでなく、コンピューターを扱うために学ぶ技術や、インターネットを活用するために重要な知識など、これからの情報社会を生きていくために大切なことを学べるのはありがたいですね。
また、ゲームはお子さん同士のコミュニケーションツールとしても有用です。オンラインを通じていつでも気軽に友達と繋がることができるので、コミュニケーションスキルの充実も図ることができます。
eスポーツ教育における課題
eスポーツには、様々なメリットがあるのは確かです。
しかし、当然ながらゲームをしすぎたり、それによるデメリットや課題もあります。
例えば、日常生活に支障が出るほど長時間プレイすると「ゲーム障害」を患うケースもあります。ゲーム障害とは、同じ姿勢のまま長時間ゲームをすることで起きる、筋力低下や視力低下などがあります。あるいは、ゲームのし過ぎによる慢性的な運動不足なども懸念されます。
前提としてゲームが全ての原因ではありませんが、特にお子さんがeスポーツに参加する場合には、プレー時間などには注意が必要といえるでしょう。
あらかじめ時間を守るなどの約束事を取り決めて、節度を守ってゲームをプレイさせるようにしましょう。
約束を取り決める際には、お子さん自身の生活のために必要なことなどを話し合い、本人に納得してもらいながら決めることがポイントです。
まとめ
このように、教育の現場にもゲームは普及しつつあり、eスポーツはただのゲームに留まるものではありません。その教育効果はこれからも、拡大し続けるでしょう。
お子さんが成長する、eスポーツのメリットは以下の通りです。
- アクションゲームで、判断力や集中力が身につく
- オンラインゲームで、コミュニケーション能力や協調性、チームワークを学べる
- 自由度の高いゲームで、創造力が育まれる
- RPGをプレイすることで、物語を読む言語能力が向上する
また、ゲームの種類によらず、脳を鍛えることで以下のようなスキルも見込まれています。
- ワーキングメモリ(作業記憶)を鍛える効果
- 集中力を高める
- 問題解決のためのスキル
ゲームによって能力の向上が期待できるだけでなく、勉強の学習効果をさらに効率的にする研究結果も示されています。お子さんの興味から成長を目指す、eスポーツはこれからもさらにその影響力を増していくことでしょう。
いま小学生に人気の習い事|ゲームで子どもの能力を育てる『ゲームカレッジLv.99』
マインクラフトやポケモンユナイトを題材とし、お子さんの非認知能力を鍛える「ゲームカレッジLv.99」は、イオングループが運営するオンラインの習い事です。
ゲームを使ってプログラミングや英会話コースも選択可能で、お子さんの考えるチカラを高めて将来に役立つスキルを身に付けてほしい保護者の方におすすめです。
記事執筆者