
最近、「非認知能力を鍛えよう」という言葉をよく耳にします。
特に今、子育てにおいて、この「非認知能力」がとても注目されているのです。
しかし、言葉は聞いたことはあるけれども、「どんなもので、どうしたら身に付くのか」まではあまり分からない方も多いのではないでしょうか。
この「非認知能力」、実はゲームで身に付けていくことができるのです。
今回は、「非認知能力」とはどんな能力で、何故ゲームで身に付くのか、をお話ししていきます。
この記事を読んで、是非お子さんの成長に役立てて頂ければと思います。
「非認知能力」ってどんな能力?

テストなどで測ることが難しい能力
「非認知能力」とは、一言でいうと、テストなどで測ることが難しい能力のことです。[1][2]
といっても、ちょっと分かりにくいので具体的にどんな力があるのか紹介します。
- 意欲
- 協調性
- 計画性
- 創造力
- コミュニケーション力など
これらのような力が一般的に「非認知能力」に該当するとされています。
コミュニケーション力などは点数をつけることが難しいですからね。
逆に学力やIQのように、テストや知能検査で測ることができる能力は「認知能力」と呼ばれます。
なぜ、「非認知能力」が注目されているのか?

社会的成功に不可欠
それでは、なぜ、今この「非認知能力」が注目されているのかというと、大きな理由の一つにノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者ジェームズ・ベックマン氏の主張があります。
彼は自身の著書「幼児教育の経済学」の中で、「社会的成功にはIQや学力と行った認知能力と共に、非認知能力も不可欠である」と主張しています。
多用性に富んだ現代社会においては、学力以外の知識も応用して活用していくことが重要なのです。
近年の大学入試や就職試験も、この「非認知能力」が問われるスタイルに変わってきています。
「認知能力」にも影響
また、文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査[3]によると、学習意欲と学力には相関があることも立証されています。
つまり、「認知能力」の向上にも、「非認知能力」は欠かせない要素となっているのです。
このような観点からも、やはり、「非認知能力」の向上は重要でしょう。
これらをまとめると、「非認知能力」は、「人として社会で生きていくための総合力」と言い換えると、イメージしやすいかもしれません。
「非認知能力」どうやって伸ばす?

「非認知能力」とその重要性について、分かってきたところで、一体どうすれば身に付くのかについてお話しします。
親が強制してはいけない
「非認知能力」は「あそび」の中で育つと言われています。[4][5]
ですので、大前提として、保護者が「非認知能力」を伸ばすように強制しても育ちません。
「あそび」として、楽しむのが最優先です。
また、「非認知能力」の向上には「主体性」が重要なのです。
意欲や創造力、コミュニケーション力など多くの「非認知能力」は、
「自分でやってみよう」
「自分で創ろう」
「自分から話そう」
というお子さんの「主体性」によって育まれていくからです。
ですから、「あそび」に限らず、お子さんが嫌がることは無理強いしないようにしましょう。
「あそんでいたら、気づいたら「非認知能力」も伸びていた」というのが理想です。
「非認知能力」を伸ばすための3つのポイント
その上で「非認知能力」を伸ばすために、意識したいポイントが3つあります。
①子どもが興味を持ったことをさせる
前述した通り、「非認知能力」の向上には主体性が重要です。
お子さんは興味を持ったことほど主体性を発揮するので、興味を持ったことをさせてあげることが大切なのです。
ですから、お子さんが興味を持てるあそびや習い事を探して、熱中できるようにすることが親の役目なのです。
仕事や家事で忙しかったり、より役に立ちそうなあそびや習い事があると、他のことをさせてしまいがちですが、お子さんの興味を一番に尊重してあげて頂きたいです。
②子どもの努力を褒める
「褒めて伸ばす」というのはありきたりかもしれませんが、これもとても重要です。
お子さんの努力を褒めてあげることで、自己肯定感が高まります。
逆に、怒られてしまうと、お子さんは不安になり、自分から行動しなくなってしまいます。
ここで、褒めるときに、ただ「すごいね」と結果を褒めるのではなく、「ここをこう頑張ったね」と具体的な努力を褒めるようにしましょう。
結果を求めて、お子さんが間違った方法を取らないように、「大事なのはあくまで努力したプロセスであること」を伝えてあげてください。
③子どもが安心・安全に行動できる環境をつくる
お子さんが行動している上で、多少の危険が孕む可能性はあると思います。
また、お子さんが自主的に挑戦しようとしたときに、失敗すると取り返しのつかないこともあるかもしれません。
そのようなときは、保護者が
「家の中の危ないものは、手の届かないところに置いておく」
「足を滑らせた時のために手を繋いでおく」
などして、安心・安全に行動できる環境を作って頂きたいです。
そうすることで、保護者だけでなく、お子さん自身も安心して、思う存分行動できるのです。
ゲームで「非認知能力」を伸ばせる理由とは?
ここまで、「非認知能力」とその重要性、伸ばすためのポイントをお話ししてきました。
それでは、いよいよなぜこの「非認知能力」がゲームで伸びるのかについてお話しします。
先ほど挙げた3つのポイントにそって、一つずつ見ていきます。
興味の対象なりやすい
まず、「①子どもが興味を持ったことをさせる」に関しては、ゲームの「夢中になりやすい」という性質がとても適しています。
ゲームが好きなお子さんは多いですし、様々なゲームジャンルがあるので、何かしら熱中できる作品があると思います。
そのような点で、お子さんの興味の対象となりやすいのです。
夢中になれる作品を見つけて、思う存分遊び倒すことで、自然と「非認知能力」は伸びていきます。
成長を実感しやすい
「②子どもの努力を褒める」に関しては、ゲームの持つ「成長を実感しやすい」という特徴を利用します。
ゲームには、様々なジャンルがありますが、
「前回倒せなかった敵に勝てるようになった」
「時間や苦労をかけて作った作品が、画面上にある」
など、どのジャンルでも、目に見える形で努力の先の成長を感じさせてくれます。
これにより、ゲームをプレイしているだけで、お子さん自身が成長を感じ、努力のプロセスを褒めてもらえるのです。
また、それらをお子さんが保護者に話すことで、たとえゲームの詳細が分からずとも、保護者はお子さんの成長を感じ、お子さんは保護者からも褒めてもらい、自己肯定感がますます向上していくのです。
安心・安全に何度でも挑戦できる
「③子どもが安心・安全に活動できる環境をつくる」においては、他のあそびと比較してゲームはケガをするリスクが低くなります。
ゲームの世界で失敗したとしても、現実世界においては何も問題はないです。
これにより、お子さんは安心して、気軽に挑戦に集中することができるのです。
さらには、ゲームの世界では、やり直しが可能なので、何度でも挑戦して、成功することで、また努力からの成長を実感できるのです。
このように、ゲームには、「非認知能力」を伸ばすために重要なポイントがたくさん詰まっています。
ですから、「非認知能力」はゲームで伸ばすことができるのです。
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今回は、今注目されている「非認知能力」とその重要性、また、ゲームで伸ばせる理由についてお話しさせて頂きました。
ゲームは一見「お子さんの成長に良い影響が無い」と思われがちですが、このように「非認知能力」の向上に活用できることを知って、ゲームをどのように遊びの中に位置づけると良いか考えてみることをお勧めします。
(出典)
[1]学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす
[2]非認知能力-用語集|EdTechZine
[3]平成25年度全国学力…学習状況調査 クロス集計結果
[4]非認知能力とは?幼児期から学童期に育てたい「人生を豊かにする力」
[5]「非認知能力とは?」を簡単に解説!具体的にどう育てる?どう遊ぶ?