子どもにスマホを持たせるタイミングは?SNSやアプリとの付き合い方も注意

お子さんにスマホを持たせるタイミングは、いつからがよいのでしょうか。

緊急時の連絡手段としての用途や、電車や地図アプリなどの利用をさせたいと考える保護者は少なくないでしょう。一方で、SNSのトラブルやスマホ依存など、心配な面もあります。

今回はお子さんにスマホの利用実態や、スマホを持たせるタイミング、メリットやデメリットなどを紹介します。
デメリットには対策方法も紹介していきますので、ぜひ、参考にしてください。

スマホの利用実態

まずは、未成年のスマホの利用状況について紹介します。

内閣府による、令和元年度の青少年のインターネット利用環境実態調査は以下の通りです。

①10歳から17歳の青少年のうち、93.2%がインターネットを利用している

情報社会とも呼ばれる現代では、インターネットの普及率も高く、お子さんも日常的にインターネットを利用しています。その中でも、スマホを使ってのインターネット利用率は63.3%と、半数以上がスマホを利用していることがわかります。

また、スマホの利用率を学齢別に見てみると、

  • 小学生:37.6%
  • 中学生:65.6%
  • 高校生:91.9%

となっており、年齢と共に利用率は大きく拡大しています。

②青少年のインターネットの利用内容は、コミュニケーションや動画、ゲームなど

大人になると、インターネットを仕事や生活、趣味など様々な面で活用します。インターネットの利用内容についての調査によると、児童生徒の間では、広い年齢層で「動画視聴」が人気であることがわかります。

◆学校別インターネット利用内容ランキング

1位2位3位
小学生ゲーム(81.7%)動画視聴(72.0%)コミュニケーション(41.8%)
中学生動画視聴(84.3%)ゲーム(76.4%)コミュニケーション(75.3%)
高校生コミュニケーション(90.1%)動画視聴(87.8%)音楽視聴(84.3%)

こうして見ると、ゲームや動画・音楽視聴など、お子さんたちはインターネットを趣味に多く利用していることが見て取れます。

しかし、「コミュニケーション」も上位に入っていることから、お子さんたちにとってインターネットは友達の輪を繋ぐための重要なツールとしても活用されているようです。

また、インターネットを勉強ツールとして利用しているお子さんも少なくありません。

勉強などに利用している割合は、小学生で31.4%、中学生で40.9%、高校生で53.6%となっており、必ずしも娯楽のためだけの道具というわけではないようです。

③低年齢層のインターネット利用率は、57.2%

では、10歳以下の低年齢層の利用率はどうでしょうか。

調査によると、低年齢層でも半数以上のお子さんたちがインターネットを利用しています。その多くは保護者とスマホを共用(87.5%)で使っていますが、お子さん向けのスマホの利用率も77.8%と、その普及率は決して低くはありません。

この割合を詳しく見てみると、お子さん専用のスマホの所持率は、11歳〜12歳にかけて大きく上昇します。11歳で40.0%だったのが、12歳で55.7%となり、共用の割合が逆転しています。13歳になると78.0%とさらに上昇しており、小学校高学年~中学生にかけて、専用のスマホを持つお子さんたちが多いようです。

出典元:令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(速報)

スマホを持たせるタイミングは?

これは「必要になったら」が結論といえるでしょう。

スマホはあくまでも連絡手段ですので、お子さんの行動範囲が広がり、そういった用途で必要になるタイミングがあれば渡すべきといえます。

具体的には、小学校高学年あたりから、塾に通うお子さんも多くなります。その際に保護者と連絡を取れるようにと、専用のスマホを持つ割合も比例して大きくなるのでしょう。

スマホを持つタイミングは、早くなっている傾向です。

その中で、お子さんにスマホを持たせるメリットやデメリット、気をつけておきたい点を紹介します。

お子さんにスマホを持たせるメリット

お子さんにスマホを持たせることへの、具体的なメリットを解説します。

①コミュニケーション手段が増える

利用実態の中にもありましたが、スマホによるコミュニケーションは、家族間や友達間でも多く活用されています。

面と向かっては話しづらいことでも話しやすくなったり、スタンプを使って気持ちを伝えやすくするという利点も期待できます。

また、お子さん同士でスマホを使って連絡を取ることにも使えます。お子さんたちの人間関係には、LINEやSNSで気軽にコミュニケーションが重要になってきているのです。

②防犯に役立つ

日常的に保護者との連絡に利用していれば、緊急時にも連絡が取りやすくなります。

また、スマホにはGPSや防犯ブザー機能などで、緊急時のツールとしての活用メリットがあります。

③学習に活用できる

スマホ向けの学習アプリも多く、動画で勉強できたりゲーム形式で英単語が学べたりと、勉強手段としてもスマホは活躍しています。

実際、インターネットの利用実態調査でも、お子さんたちの3割〜5割ほどが、インターネットを勉強にも利用しています。隙間時間を活用して勉強出来るほか、気になったことをいつでも検索できるという利点も、学習に役立つでしょう。

お子さんにスマホを持たせるデメリット

お子さんにスマホを持たせることのメリットは多いものの、当然ながらデメリットや心配事もあります。具体的なデメリットについては、その対策方法も合わせて解説していきます。

①スマホに依存してしまう

「動画視聴」が利用内容として上位です。SNSやYoutubeなどには魅力的なコンテンツが多く存在しています。

さらに、そういったツールは利用者の滞在時間をいかに長くするか?を考えて設計されているため、時間を忘れて夢中になってしまいがちです。

そうなると、勉強や生活が疎かになってしまったり、寝不足や体調不良の原因になってしまう可能性もあります。

〈対策のために〉

特に利用時間については、お子さんの自己責任にすることなく、きちんと約束を取り決めておく必要があります。夜20時以降はスマホを触らないなど、お子さんときちんと話をして、ルールを決めておくと安心ですね。

②いじめの原因や、ネット上の危険になり得る

次に注意したいのは、SNSやインターネット上でのやりとりなど、大人の目の届かない場所でのトラブルです。インターネットを介した問題は、第三者からは見えづらいものであり、周りの大人が気づきにくいことも多いです。

また、インターネット上では有害なサイトや悪意のある他人からの攻撃も考えられます。そのような危険性があることを、保護者は常に意識しておく必要があります。

〈対策のために〉

スマホには、有害サイトなどへのアクセス制限が行える「フィルタリング」というサービスがあります。あらかじめ設定しておくことで、インターネット上でのトラブルを回避できるほか、長時間のスマホ操作を防ぐこともできます。

また、そのような危険があることを、保護者とお子さんの両方が知っておくことも大切です。

インターネットの情報などを正しく理解し、適切に判断したり運用できる能力を「ネットリテラシー」と言います。ネットリテラシーを正しく身につけることで、自分の身を守るだけでなく、意図せず加害者になってしまうことを防ぐこともできます。

③いつでもゲームができてしまう

ゲームはお子さんにとって、特に夢中になれるコンテンツです。

スマホであればいつでもプレイできてしまうため、夢中になるあまり何時間も没頭してしまうことで、寝不足や勉強に支障が出てしまうことも考えられます。

〈対策のために〉

まだ自制心が発達していない段階のお子さんは、自力で制限し続けることは難しいです。必ず保護者が一緒になって、スマホの正しい使い方を身につけていく必要があります。

スマホを持ち始める前には、ルールを決めておきましょう。

その際のポイントとして、お子さんは誰か決められたルールより、自分で決めたルールの方が守りやすいこともあります。何が問題で、どのように困るのかを踏まえて、一緒に話し合いながらルールを決めていくとスムーズに納得できるでしょう。

まとめ

お子さんにとってスマホは、家族同士だけでなく、同級生とのコミュニケーションにも、無くてはならないツールとなりました。

それだけでなく、学校でも学習ツールとしてタブレットが配布されたり、塾でもオンライン授業が普及したりするなど、様々な場面でインターネットに触れる機会は増えてきています。

スマホを初めて持つタイミングは、どんどん早くなっています。

お子さんがスマホに早くから慣れておくことは後々役に立ちますが、同時にデメリットを理解し、正しく扱えるよう知識やルールでお子さんを守ることも重要です。

大切なのは、お子さんにスマホをいつ持たせるかではなく、あらかじめ知識やルールを身につけ、正しくスマホを使えるよう一緒に学んでいくことです。お子さんだけの自己責任にせず、保護者も見守り、正しいあり方について考えていきたいですね。

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株式会社ENロジカル
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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