子どものタブレット学習ってどうなの?メリット・デメリットを解説

新型コロナウイルスの影響もあり、学習環境のオンライン化が一気に進みました。

そして、休校対策やおうち時間の有効活用のため、利用者側からのオンライン学習需要は増えており、今もその需要は伸びるのではないでしょうか。

その中でも注目されているのが「タブレット学習」です。
お子さんが興味を持って取り組みやすいタブレットを使った学習は、様々な幼児教育教材として取り入れられています。

しかし、お子さんがタブレットを使用するにあたって、デメリットなどを懸念している保護者の方もいるかもしれません。

今回は、タブレット学習のメリットやデメリット、お子さんを取り巻くインターネットとの関係などについて紹介していきます。

3歳で50%以上!お子さんのインターネット利用率

内閣府の調査によると、お子さんのインターネット利用率は低年齢層でも低くはありません。

年齢別調査によれば、3歳ですでに50.2%がインターネットを利用しています。これは、保護者がスマホを使って、お子さんに動画を見せたりしていることが背景にあると考えられます。

また、利用率は年齢と共に増加しており、9歳で79.9%と、多くのお子さんがインターネットを利用してるのです。

多くのお子さんは、保護者のスマホを利用している場合が多いですが、学習用などのお子さん向けタブレットの利用率も、27.4%となっています。

出典:内閣府|令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(速報)

このように、老若男女問わず、日常的にインターネットを使うようになりました。

塾や学校のオンライン授業など、お子さんにとってもインターネットは身近なものであり、そしてさらに必要となる機会は増えてくるでしょう。

小中学校ではすでに「GIGAスクール構想」の実現に向けて動き出しています。

「GIGAスクール構想」とは

GIGAスクール構想とは、教育のICT化を実現するための構想です。

ICTとは「情報通信技術」を意味し、これを教育現場で活用することを指します。教育のデジタル化に向けた、環境整備を目指すための構想とも言えるでしょう。

GIGAスクール構想は、現代に合わせて学習環境を整備し、生徒一人一人に最適な教育を提供することを目指しています。

具体的な例を挙げると以下のような目標があります。

  • ①小・中学校において、児童・生徒に一人一台のパソコンやタブレットの普及
  • ②高速通信ネットワーク環境の整備

そして、2020年のコロナウイルスによる影響を受けて、この構想は前倒しとなりました。学校でもすでに、紙の教科書からタブレットで見られるデジタル教科書へ変化していたり、電子黒板や動画などのデジタル教材の活用も行われています。

このように、学習環境にインターネットを用いた大きな変化が生まれていることからも、お子さんが早い段階から端末を使い慣れていることは有益だと言えるでしょう。

ここからはタブレット学習のメリットを解説していきます。

タブレット学習のメリット

タブレット学習の一番のメリットは、「楽しんで学べること」にあります。

学校でもデジタル教材を活用することで、児童や生徒たちの興味をひくのに役立ったなどの効果が出ています。そのため勉強が苦手なお子さんほど、タブレット学習は有効だと言えるでしょう。

他にも、タブレット学習のメリットは以下のものがあげられます。

①お子さん向けの学習教材が豊富

ゲーム感覚で学習できる教材もあり、お子さんが興味を持って学びやすくなっています。

そのほか、図解や動画でわかりやすく解説されているものも多く、つまずきにくい工夫・継続できる工夫がなされている教材が多いです。

このようにお子さんが夢中になり、集中する仕組みは「ゲーム」にも同じことが言えます。

ゲームにはあまり知られていない教育効果があり、お子さんの能力を伸ばすという研究結果も出ているようです。

詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

②いつでもどこでも学習できる

通常の習い事は「○曜日の○時から」などと時間を固定されてしまいますが、タブレット学習であれば時間も場所も選ばないため、隙間時間を活用することもできます。

また、タブレットは持ち運びも可能なので、あらゆる場所で使用することができます。

教材によっては、事前にダウンロードすることでネット環境がなくても使えるものもあります。

③自習のためのシステムがある

タブレットの学習教材は、元々自習のための教材です。

つまづいたタイミングを察知してヒントを出してくれたり、わかりやすい解説がついていたりと、お子さんが一人で学習を続けられるシステムが豊富な教材もあります。

お子さんの学習に、その場で答え合わせを自動でしてくれるなど、保護者の手間が省かれるのはありがたいですよね。

④お子さんにあった学習ペースができる

学校や集団塾では授業の進行計画があるため、追いつくのが大変だったり、苦手をそのままにしてしまうこともあります。タブレット学習であれば、周りの進度を気にせず自分のペースにあった学習が可能です。

学校の予習ができるだけでなく、苦手なところを重点的に復習することもできるので、自分の目的に合った学習もできます。

タブレットのデメリットと対策

タブレットによる学習のメリットは多いですが、保護者にとっては心配事もいくつかあります。デメリットを理解し、対策を考えたり向いているかを確かめることも重要です。

①健康面への悪影響

ゲーム感覚で楽しめるタブレット学習ですが、楽しみすぎて長時間使用してしまう可能性もあります。長時間の使用により、視力が低下したり姿勢が悪くなったりするといった悪影響も考えられるため、注意が必要です。

健康面の対策については、保護者がお子さんのタブレットの利用時間を管理することが重要になります。お子さん用のタブレットやアプリには、保護者が使用時間や閲覧について制限を設けられる「ペアレンタルコントロール」という機能があります。

タブレットの使用時間については、あらかじめお子さんと約束を取り決めて使用させるなど、しっかりと保護者が管理しておくことでデメリットを防ぐことができます。

②使い方を誤る可能性がある

タブレットによる学習では、先生がそばで見てチェックをしたりするわけではありません。そのため、どのように勉強しているかなどを声かけする必要があります。

学習ゲームが目的になって、肝心の学習がおろそかになってしまったり、タブレットによっては他のゲームができてしまったりと、「勉強をしていると思ったら遊んでいた」といった事態になりかねません。

学習データの分析をしてもらえたり、自動で丸つけをしてもらえるなど、保護者にとってはありがたい機能もたくさんありますが、使い方を誤ると効果は弱まってしまいます。

お子さんは苦手な勉強より、楽しいゲームに流されやすいですから、正しい使用方法で学習できているかを見守ってあげることも重要です。また、頑張りを見て褒めてあげることも、モチベーションのための大切なポイントです。

まとめ

インターネットの利用率は、今や3歳のお子さんでも50%を超えています。

また、小学校から始まっている「GIGAスクール構想」など、将来だけでなく学校での勉強でもインターネットは不可欠です。タブレットを使った、オンライン授業やデジタル教材による学習は、身近なものとなりました。

タブレットを使った学習メリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • ①ゲーム感覚で楽しく学べる
  • ②お子さん向けの学習教材が豊富
  • ③いつでもどこでも学習できる
  • ④自習のためのシステムがある
  • ⑤お子さんにあった学習ペースができる

また、デメリットも以下のようなものが挙げられます。

  • ①やりすぎによる身体への影響
  • ②使い方を誤る可能性がある

これらのデメリットは、保護者がお子さんとルールを取り決めたり、使用制限などの管理をするなどの対策をすることで防ぐことができます。

タブレット学習のメリットやデメリットを知り、きちんと知識や活用方法を身につければ効果的な学習教材であることは間違いありません。そして、タブレットなどの端末を活用していくことは、これからの時代を生きるのに必要な力となります。

お子さんがタブレットを使用する際には、保護者も一緒に使い方を知っていくことが大切です。お子さんの自己責任にせず、見守ってあげることでなにより効果を発揮するでしょう。

記事執筆者

株式会社ENロジカル
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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