小学生のお子さんの教育カリキュラムは、ここ十数年で大きく変化しました。
例えば、小学校から「プログラミング学習」が取り入れられたり、大学受験では新しく「情報」の科目が予定されています。
また、学習環境の面でもオンライン授業が行われるなど、パソコンやタブレットを利用する場面が増えてきました。そのように、IT化が加速するこれからの社会においては、ICT機器の知識だけでなく、扱いも習熟しなければなりません。
中でも「タイピングスキル」はPC操作の基本でありながらも、作業効率に直結する重要なスキルです。
この記事では、タイピングスキルの重要性やメリットについて紹介していきます。
急速に進むIT化と、タイピングスキルの必要性
タイピングとは、パソコンなどのキーボードを打ち、文字や文章を入力することです。
スマートフォンなどのタッチパネル操作を行う端末では不要ですが、タイピングスキルが必要な場面はたくさんあります。
①PC操作の基本スキル
ICT教育が拡大する中、パソコンの基本スキルとしてタイピングは必須となります。
高校や大学では「情報」の科目が入ってきたり、レポートや卒業論文をデータで提出することもあります。小学校での授業だけでなくその先の学習でも当然、タイピングは必要になってきます。
②大学受験でも必要になるかもしれない
今の小学生が大学受験を受ける頃には、入試は「CBT方式(=コンピュータによるテスト形式)」になると言われています。
実際、英語の外部試験や簿記試験などでも一部、このCBT方式はすでに導入されています。パソコン操作の熟練度はこれからもっと重要になり、周りとの差に繋がるでしょう。
もしパソコンで記述形式の問題に取り組むことになれば、タイピングのスピードや正確さが合否の分かれ目となる可能性もあります。
タイピング練習のメリット
大人になればほぼ確実に必要となるタイピングスキルは身に付けて損はありません。
その他にも、タイピングスキルを身につけることには、様々なメリットがあります。
①ローマ字入力が出来るようになる
キーボードでの文字入力は、ローマ字入力が基本です。そのため、タイピングの練習をすることは、ローマ字を学習することにも繋がります。
タイピングにおいて課題となるのが、「キーの位置を覚えること」と、「ローマ字を理解すること」です。
この2つを同時に習得していくことは難しいかもしれませんので、まずはローマ字を理解してから、キーの場所を少しずつ覚えていくのがいいでしょう。
②ICT機器に慣れることができる
キーボードでの操作に慣れてパソコンが操作できるようになると、タイピング以外のITリテラシー向上も見込めます。
例えば、検索エンジンで自分の知りたい情報を探し、必要な情報を取捨選択するような思考力です。
タイピングはあくまでも文字を打つ手段です。その先の情報検索やプログラミングなどに使えるようになると、一気に世界が広がるでしょう。
③周りと差をつけることができる
現代における学生たちの主流アイテムはスマホです。
その一方で、パソコンをあまり使ったことがない、という高校生や大学生は増えてきています。総務省の調査において、年齢階層別インターネットの端末の利用状況は、以下の通りです。
13〜19歳 | 20〜29歳 | |
スマホ | 80.8% | 89.8% |
パソコン | 45.8% | 65.8% |
このように、スマホとパソコンの利用状況には顕著に差が出ています。特に20代は、職場で使わざるを得ない社会人層を省くと、更に少ない数値になるかもしれません。
このデータからも、パソコン操作に慣れていない人が多くなっているといえるでしょう。
そこで、キーボードを見ずに入力する「タッチタイピング」などを身につければ、作業効率が大きく向上します。
タイピングの学習ポイント
①ホームポジションと指使いを覚える
タイピングにおいて重要なのは、「ホームポジション」と呼ばれる基本の指の位置です。
キーボードのキーには、あらかじめ操作する指が割り当てられています。
決まったキーを決まった指で叩くことを覚えながらタイピングを練習をすることで、キーボードを見ずにタイピングする「タッチタイピング」など、すばやいタイピングができるようになります。
最初の段階で間違った指でキーを打つ癖がついてしまうと、直すことが難しくなってしまうので注意しましょう。
②「正確さ」と「スピード」を身につける
文科省の調査によれば、キーボードによる1分間あたりの文字入力数の平均は、以下の結果となっています。
- 小学校で15.8文字(3.8秒で1文字)
- 中学校で23.0文字(2.6秒で1文字)
出典:文部科学省|児童生徒の情報活用能力の把握に関する調査研究
上記のスピードをまずは目安として、タイピング練習に取り組んでいくといいでしょう。
タイピングの速さは、正確さを身につけることで自然と上達しますが、練習を重ねることも重要です。
長時間練習し続けるよりも、1日に10分程度の練習を継続した方が、上達はしやすいのです。焦らず、少しずつ慣れていくことを目指していきましょう。
いつから始める?タイピング学習
タイピング学習を始める目安は「小学3年生」です。
ローマ字の学習をし始めるのが小学3年生からの場合が多く、タイピングに必要なローマ字に触れるタイミングであれば効率よく学習できるでしょう。
プログラミング学習で実際にパソコンを扱うのは、小学5年生からと言われています。
小学5年生では、算数の授業でプログラミングを取り入れ、図形の作図などを行うといった授業もあるようです。
そのため、小学4年生までにタイピングスキルを身につけておけば、スムーズに授業に取り組むことができるでしょう。
ネット上ではタイピングを無料で練習できるサイトが多く、ゲーム感覚で楽しめるお子さん向けのものもあります。パソコンさえあれば自宅でいつでも活用することができます。
演出が大人向けのものもありますので、まずは保護者の方でお子さんにあったものを選んであげるのがいいでしょう。
お子さんのタイピング練習に最適な学習サイト3選
タイピングを練習する場合は、WEB上の学習サイトか、有料ソフトを購入する必要があります。
WEB上の学習サイトは無料のものが多く、演出もお子さん向けのものを選ぶことができます。
小学生のお子さんでも問題なく楽しめる学習サイトをご紹介します。
①Playgramタイピング
タイピングを初めて練習するお子さん向けのソフトです。
英検5級~3級レベルに対応しており、英語学習を兼ねて学べる点でオススメできます。
漢字にふりがながついているほか、アルファベットの発音の読み上げ機能までついているので、はじめてアルファベットやローマ字を学習するお子さんでも取り組みやすい内容になっています。
また、どのキーをどの指で押すかまでイラスト付きの指示があるので、タッチタイピングの基礎も身につけることができます。
そして、こちらは有料ですがタイピングで英単語を習得できる、英語学習プランもあります。単語の語彙力とリスニングを同時に鍛えられるので、苦手としやすい発音やリスニング力を伸ばすことも出来ます。
サイトURL:https://typing.playgram.jp/
②ココアの桃太郎たいぴんぐ
RPG形式のタイピングゲームです。
かわいい犬の主人公「ココア」が桃太郎として仲間を増やし、ストーリーを進めていきます。こちらもホームポジションを基本から覚えられる機能や、キーガイドもあるためタイピン初心者でも安心して楽しめます。
タイピングで敵を倒し、コースをクリアするというRPGらしい構成です。ストーリーがあるため、続きが気になって練習が継続しやすい仕組みとなっています。
楽しいゲーム要素が盛り込まれたゲームとなっているので、ゲームが好きなお子さんにオススメです。ゲーム形式だと夢中になりすぎてしまうのでは、という心配もありますが、こちらは一定時間連続で遊ぶとしばらく遊べなくなる時間制限の機能があります。
サイトURL:https://pokedebi.com/game/momotype/
③寿司打
寿司打はスピードが求められるシステムのため、中級者向けのブラウザゲームです。タイピングに慣れてきたお子さんにオススメです。
回転寿司のお皿が流れてしまう前に、画面の文字をタイピングで入力して、どれだけお寿司を食べられるかを競うゲームとなっています。
練習コースの他、さらにレベルアップを目指すための「正確重視」コースや「速度必須」コースもあります。タイピングの自信がついてきたら、こちらもチャレンジしてみてください。
サイトURL:https://sushida.net
まとめ
お子さんがタイピング練習をすることには以下のようなメリットがあります。
- ローマ字入力に慣れる
- パソコン機器の活用への自信につながる
- 周りと差をつけることができる
タイピングスキルの習得の目安として、以下2点を意識していくとよいでしょう。
- ホームポジションと指使いを覚える
- 「正確さ」と「スピード」を身につける
ICT機器を効率的に活用するためには、タイピングスキルは重要な基本スキルです。
タイピングスキルを高めておくことで、作業効率が高まります。お子さんの好みやレベルに合った教材を見つけて、楽しくレベルアップできるとよいでしょう。
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